こんにちは。YUKI(@freedom_0117)です。
突然ですが、みなさんは『質問』を適切に行えていますでしょうか?
・説明を聞いて質問もしたのに手戻りが発生した
・お客さまの要望がコロコロと変わってしまう
・どう質問すべきか分からない
特に社会人になりたての方は上記のような悩みをもつ方々が多いと思います。今回ご紹介する書籍『誰も教えてくれない 質問するスキル』では、質問をすることでそもそもどんなメリットがあるのか、質問とは何か、質問を通した正しい要求の引き出し方とは何か、といった基本から実践まで取り扱っています。
本書を読むことで、ただ質問をする状態から、様々な状況・目的に沿った質問ができる状態に近づくことができるでしょう。
それでは書籍のご紹介に移りたいと思います。
目次
はじめに
タイトル | 誰も教えてくれない 質問するスキル |
著者 | 芝本 秀徳 |
発売日 | 2016/12/16 |
定価 | 1,760円(税込) |
出版社 | 日経BP (2016/12/16) |
ページ数 | 304ページ |
概要 | 本書は「誰も教えてくれない」シリーズの1冊です。このシリーズでは、仕事の現場で必要となるのに、会社(もしくは学校)で教えてもらうことがまずないスキルにフォーカスしています。 言い換えれば、「いつの間にか通り過ぎてしまった基礎スキル」です。そんな基礎スキルをきちっと体系化し、一緒に学んでいこうというのが、このシリーズのコンセプトです。 本書のテーマは「質問するスキル」。質問するスキルを習得すると、次のようなメリットがあります。 良い質問ができると「1情報を引き出す」ことができます。 自分・他者にかかわらず「2思考を促す」ことができます。 周りとの「3関係を築く」ことができます。 単なる質問テクニックではなく、「質問するスキル」として、学び方をお教えします。 |
著者の芝本 秀徳さんは株式会社プロセスデザインエージェント代表取締役で、プロセス設計の技法を活かし、人と組織の実行品質を高めるコンサルタントです。品質と納期が絶対の世界に身を置き、ITベンダーにて大手自動車部品メーカー、大手エレクトロニクスメーカーのソフトウエア開発に携わった経験があります。
また、「品質は設計を超えることはできない」という信念のもと、百数十名の開発者を統率し、人とプロセスの質に同時に働きかける独自のアプローチを体系化し、現在は「人と組織の実行品質を高める」ことを主眼に、マネジャー育成、PMO構築支援、ベンダーマネジメント支援、戦略策定ファシリテーションなどのコンサルティングを行う傍らで、書籍や記事の執筆、講演活動などもこなしています。
そんな実体験をもとに裏打ちされた「質問をして相手の要求を引き出す取り組み」や、「質問を通して関係者の管理を行う方法」など、様々な活用方法を余すことなく詰め込まれているのか本書なのです。
以降、今回は「質問するスキルが役立つ場面」「質問するスキルの要素」「”要求”を引き出す問いかけ」の3つに絞ってお伝えできればと思います。
1.質問するスキルが役立つ場面
まず初めに押さえておきたいことは、「どう質問するか」よりも「何を質問しなければいけないのか」が重要であるということです。そもそもの目的地が明確になっていなければ、質問をしたとしても、有意義な情報は得られません。逆に不要な情報を得ることで、かえって混乱してしまうことも考えられます。
「何を質問しなければならないのか」を知り、自ずと「どう聞くべきか」と考えるようになります。そうした中で本書に書かれているテクニックも交えてより効果的な質問を駆使できるようになるのです。
何のために質問をするの?
「何のために質問をするのか?」という疑問を持っている方々も非常に多いと思います。質問をせずとも技術や経験があれば個人で解決できるのではないか?過去のドキュメントを参考に仕事を進められるのではないか?こういった意見を持つのも十分理解できます。
質問をする目的として次の3点が挙げられます。
それぞれの項目について見ていきましょう。
①情報を引き出す
具体的には、「自分が知らない情報を引き出す」「上司の要求を引き出す」「顧客の要求を引き出す」ということです。また、質問の質に伴い、回答の質も向上していきます。
②思考を促す
良い質問は良い思考を促します。上司や部下の関係だけでなく、クライアントとの関係についても同様です。自分自身についてもです。言い換えるならば、「問いを立てる」ことだとも言えます。
質問するということは、相手の思考を方向付ける力があります。質問に対して回答をする、つまりは考えざるを得ないのです。良い質問をすることによって、相手の思考を良い方向に導くことができます。時には相手を深く考えさせたり、ポジティブに考えさせたり、本質的に考えさせたりと、コントロールできます。
③関係を構築する
人は何よりも自分に興味があり、誰しも「自分は素晴らしい、大したものだ」と思いたいのです。ゆえに、自分に興味を持ってくれる人に興味を持つのです。また、相手に質問をするということは、「私はあなたに興味を持っています」「私はあなたのことを知りたいです」といった意思表示になります。親しみを持ってもらい、良い人間関係を築くためにも質問をしていきましょう。
2.質問するスキルの4要素
質問することの理由として挙げた上記3点(情報を引き出す・思考を促す・関係を構築する)を確実に実行できるようにするため、次は「質問するスキル」を身に付けるにあたって、どんな要素を認識・習得する必要があるのかについてご説明します。
それでは順に見ていきましょう。
①抽象化思考
言い換えると、「”つまり何なのか”を捉える思考」です。相手の言っていることは「つまりどういうことなのか」を握る力です。「咀嚼する」「要約する」と考えてもらって構いません。
コミュニケーションにおいてただ、Qという問いに対し、Aと単純に答えるだけでは不十分です。質問や依頼の裏にはそれを発した「意図」が隠されており、それを理解し、答えた上で初めてコミュニケーションと言えます。
したがって、相手の言葉の裏にある「つまりどういうことなのか」を理解する。まさにこの行為・思考そのものが『抽象化思考』なのです。
②問いかけ
「オープンクエスチョン」や「5W1H」などの問いかけの方法、タイミングなどテクニック的な部分です。
③フィードバック
コミュニケーションをとっている際、「しっかり相手に伝わっているか」不安になることがあります。そんな時に「言いたいことはこういうことですね」「言いたいことは分かりますよ」とフィードバックをもらうことができるとどうでしょうか?きっと話している側も安心するはずですし、違っていた場合には訂正してくれるでしょう。
①の抽象化思考も関係してきますが、相手が話したことを受け止めて、抽象化し、「つまりはこういうことですよね」「こういう風に私は理解しました」と自分の考えを相手に返してあげる意識が非常に大切です。
④議論の見える化
特に会議でファシリテーションをする際に重要な要素です。ホワイトボードや紙を使って板書し、議論を見える化する。話し合いを空中戦で進めるのではなく、認識合わせも含めて見える化をする必要があります。文字だけでなく絵や図を用いるのも効果的でしょう。
また、こうした見える化したものを会議中に作成することで、議事録を作成する必要が無くなるというのもメリットです。
さいごに
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
質問することについて理解を深めることはできたでしょうか?私たち人間は言葉を使ってコミュニケーションをとることができます。また、仕事は一人でやるものではなく、上司や部下、クライアントなど数多くの方々と協力して進めるのが一般的な企業です。
今回ご紹介した『誰も教えてくれない 質問するスキル』を通して少しでも皆さんのお役に立つことができれば幸いです。
今回ご紹介した書籍については以下になります。