目次
はじめに
こんにちは。YUKI(@shisha_yuki117)です。
今回も引き続き銀行業務についてご紹介致します。
日本の銀行業務の種類
銀行では、一般的に事業部制を採用しており、リテール部門や法人営業部、デジタル部門など、いくつかの事業部門に分け、各機能を持たせています。
リテール業務
リテールとは「小売り」という意味を持っています。
銀行のリテール業務とは、個人や中小企業を相手にした小口の取引のことを指します。
一方で、ホールセールは「卸売り」という意味持っています。
銀行のホールセール業務とは、大企業を相手にした大口取引のことを指します。
ホールセール業務に比べ、リテール業務は一回の取引の額も収益も少ないですが、取引件数から見て、個人向けの預金サービスを充実させ、多くの顧客を確保できれば、リテール業務でも高い収益性があると考えられます。
近年では、インターネットやスマートフォンなど新しいチャネルを活用したサービスの提供を積極化させ、ニーズに合わせた様々なチャネルを使い分けることが可能となっています。
実際に、現在、ネット銀行や証券会社など新たな形態の金融機関が次々と登場しており、金融機関が小売業や運輸通信業など家計と様々な繋がりを持つ産業と提携しています。
このような取り組みを通じて産業間のシナジーを活かしながら、電子マネーなど新しいサービスを提供する事例もみられます。
リテール業務の特徴
・少品種多量である
・利便性に重点を置いている
・多くのチャネルを持つ
・住宅ローン、学資ローン等生活に密着した商品・サービスを持つ
ホールセール業務
大企業や政府、地方自治体、中小企業などを対象に貸出をはじめとする総合的な取引を行います。
取引にあたっては各部門と密に連携を取り、お客様のニーズに対応します。
ホールセール業務の特徴
・多品種少量である
・財務を中心とした各企業の経営的アドバイザリー的役割を担う
(「メインバンク」と呼ばれるものです)
・中小企業の中でも小規模の企業はリテール業務として取り扱う銀行もある
投資銀行業務
クライアント企業が有価証券の発行による資本市場からの資金調達をサポートし、合併や買収など財務戦略での助言を行います。
投資銀行の収益は株式や債券の資本市場における発行時に発行額に応じて徴収する手数料です。
具体的な業務は、クライアント企業に対し有価証券の発行による資本市場からのファイナンス、M&Aについての助言を行なう他に、財務に関わる部分では各種保有資産の流動化による資金調達(例.不動産やローン債権の証券化)、金利や為替等のデリバティブを用いた財務リスクヘッジがあり、多岐に渡ります。
米国の銀行業務の種類
ここで米国の銀行についても見てみましょう。
米国の銀行は、規模と役割から、コミュニティバンク、リージョナルバンク、スーパーリージョナルバンクおよびマネーセンターバンクに分けられます。
以下のような区分については、総資産規模などの具体的な定義が明確にあるわけではないです。
区分 | 説明 |
コミュニティバンク | 一つの市長村または隣接市町村など比較的狭いエリアにおいて、主に地域の中小企業や個人顧客のために銀行サービスを提供する銀行。 銀行業務中心だが、保険・証券業務等について、他社の商品やサービスを取次ぐことはよく行われている。 face to faceで顧客の顔を見る、つまり銀行と主要顧客は顔見知りであることが重要なポイント。 規模の目安は、銀行総資産1,200億円未満。なお、比較的大規模のコミュニティバンク~中規模以下のリージョナルバンクのことをスーパーコミュニティバンクと呼ぶこともある。 米国では、銀行の合併・集約化が進んでおり銀行数が減っているが、依然として銀行数の約95%は小規模のコミュニティバンクである。 |
リージョナルバンク | 一つの州または本店所在州の隣接州で業務を行っている地方銀行。 保険・証券業務等については、熱心な銀行もあれば、さほど取り扱っていない銀行もある。 規模の目安としては、銀行総資産1,200億円以上。 |
スーパーリージョナルバンク | 本店所在州・隣接州を越えた複数の州において銀行業務を行っている大銀行。 その地域では競争力のある保険や証券会社もグループ会社として持っているが、国際的に支店網を持っているわけではない。 規模の目安としては、銀行総資産約3兆円以上。 |
マネーセンターバンク | 金融持株会社のもと、銀行だけでなく全国的にも競争力を持つような証券、保険会社等を持ち、さらに国際的にも活躍している銀行。 一方、膨大な米国内支店網を武器にリテール業務にも力を入れている。総資産規模の目安としては、米国監督当局が主要行としてみている銀行総資産30兆円以上の銀行。 具体的には、JPモルガン・チェース銀行、シティバンクなどであり、合併により集約されたため銀行数としては少ない。 ただし、同じカテゴリの銀行でもその戦略や業務内容は大きく異なっている。例えば、同じマネーセンターバンクでも、JPモルガン・チェース銀行は中堅・中小企業向貸付に強く、シティバンクは個人対象のクレジット・カード業務に強いという特徴がある。 また、コミュニティバンクでも、中小企業との取引が中心の銀行もあれば、住宅ローン中心の銀行、自動車ローンに力を入れている銀行など多種多様となっている。 |
日本と米国の銀行の違い
当たり前かもしれませんが、日本と米国とでは支払い方法の違いや支店の配置、システムの仕様など、大きな違いがあります。詳しくは以下の図をご覧ください。
日本の銀行 | テーマ | 米国の銀行 |
・公共性が極めて高い ・銀行員が誠実であり信用できること |
国民が銀行に求める機能 | ・小切手社会のため残高管理は自己責任 ・支払に小切手を使用し残高不足の場合には支払いができないのに加えて手数料がかかる |
・利子が付く普通預金を中心に、定期預金を組み合わせた総合預金口座が一般的 | 取引口座 ※日本でも当座預金は主に法人向けに提供されているが、米国では当座預金は個人でも広く使われ、決済システムの中核を担っている |
・利子の付かない当座預金口座(Checking Account)を中心に、利子の付く貯蓄預金口座(Saving Account)などが一般的 |
・統合ATMスイッチングサービスを中心とし、金融機関同士のATM/CDを相互接続 ・還流式(入金した現金を支払い用の現金に使う仕組み) |
ATM | ・クレジットカード会社のネットワークを経由して接続 ※PLUS(VISA系)やCirrus(Master系)等。 ・預金・小切手の入金は備え付けの封筒に、入金票と現金・小切手を入れ、ATMに投函され、支店で入金記帳を行う |
・駅や繁華街、交通量の多い通りといった交通の便の良い場所に集中 ・ほぼすべての業務を提供 ・最近では大型ショッピングセンターを中心に支店が開設されている |
支店 | ・地域特性や客の特性に合わせて様々な支店形態 例.入出金や小切手の入金が多い地域ではハイカウンターのみであったり、住宅地での資産相談が多い地域では、各デスクでお客様の相談に乗り、フロア全体が相談窓口のみとなっている。 ・郊外ではドライブスルーの窓口がある。ATMを車の運転席から操作できるだけでなく、ファーストフード店と同様、ドライブスルー専用の窓口で専用のテラー銀行員が応対し、現金や小切手の受け渡しを車から降りずにインターホンとエアシューターを通して行える。 ・ショッピングセンターの中の支店、インストアブランチもあるインストアブランチでは住宅ローンの受付業務等を提供。小さなスーパーから大型ショッピングセンターにまで広く展開されている |
・元帳の更新はリアルタイムが一般的。 ※競争が制限された規制下でのビジネス展開であったため、金利などで差別化が図れないことから、効率性や信頼性が重要視されている |
システム | ・フロントシステムで取引を受付処理し、元帳は更新しない ※元帳の更新は夜間バッチ処理で行われるのが一般的 |
・銀行法を根拠法として国(金融庁)が設立認可を行う | 認可等 | ・連邦法による国法銀行(National Association)の他、州銀行法による州法銀行、貯蓄銀行、小口金融を主体とするスリフト、協同組合組織のCredit Unionなどがあり、監督主体もFEDや連邦政府、州の各機関に分かれている |
さいごに
いかがでしょうか。今回は日本の銀行業務について焦点を当て、また、米国の銀行との比較も行いました。日本だけでなく、海外の国々にとっても金融機関というのは非常に大きな役割・責任を担っています。
ここまで記事を読んでいただけた方々は少しずつ銀行の特徴や魅力が分かってきたのではないでしょうか。
続編もありますのでぜひ読んでいただけると嬉しいです。
それでは今回も記事をお読みいただきありがとうございました。